一年前に顔を見た最後の日
一年前の今日(日付変わる前の昨日)が、aさんの顔を見た、話した、最後の日だった。
「おーぅ、背中のここのとこに湿布貼ってくれよ」と言われて貼った。
あの時の部屋の空気、会話した時の自分の心持ち、aさんの様子、全部覚えてる。
私はあの時期没頭してる趣味があって前の日にもその話などしながら返ってくる耳の痛いaさんの言葉に若干イライラして突然会話を終わらせたりした。
湿布は貼った。けど心配も何もしてなかった。言われた以上のこともしなかったし、心を配りもしなかった。
突然死んでいた朝は私が貼ったその湿布を身体に貼ったまま警察に運ばれて行った。(あの湿布、とっておけばよかったな。今思うと宝物)
1日が、1時間が、1分が途方もなく長くて早く時間が過ぎてほしくて、寝ている時だけは意識なくいられるから大半を寝て過ごしていて、目が覚めてしまったらまた寝なきゃ!と寝て、私は大半を寝て過ごしている。
ただ時間が経つのを耐えるだけで凌いでいたけど、逆にもう本当に1年が来てしまうのだということが怖い。1年目が来ないでほしいという矛盾した思いがある。
遠くなってしまう気がする。
そう考えると現実との間に剥離を感じる。
私は現実には〝aさんの死から一年経とうとしている人〟だけど自分の中にはその事実と矛盾するような感覚もある。
「一年前にaさんが死んだ」のは事実だけど、一年前も何年前も関係なくて、私は毎日aさんを失っている気がする。毎日、絶え間なく死別してる感覚がする。意識あるときは常に今死別してしまったばかりという感覚が溢れている。