雨やどり〜azurの日記

令和二年、四月。家族が突然死で私の人生からいなくなってしまい、世界が変わってしまいました。「諸行無常」という言葉の意味がわからないけど、今の私には抵抗感しかありません(でもどうやら違うようですね)。後悔、罪悪感、悲しさ、寂しさ、その他雑多な感覚のなかで、意識が継続されることが苦しいです。

犬と猫とAさんと

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うちには犬と猫がいてとても仲良しです。

犬は天真爛漫でめっぽう明るく、ネコが近づくとはしゃいでかまい過ぎて、しまいにはネコに怒られる。

ネコは達観していて、ガキっぽい犬にいつまでもかまってられないよ!という感じでクール。

日に何度かプロレス格闘してもネコが遊びを切り上げて冷ややかにしています。でもとても仲良し。

 

普段は一緒の部屋にいるけど無関心で各自のほほんとしている。四六時中べったりしているわけではなくて。

 

でも、犬を外に出したり部屋の外に連れ出すと…

しばらくするとネコが不安になって鳴いてウロウロするのです。

ニャー、ニャー!!犬君、犬くーん!どこいっちゃったのー?というふうに。

そして犬が部屋に戻るとべつに駆け寄るでもなく「フン、いたのか。ならいいや」とクールに落ち着く。

いなくなって探すさまはあんなに不安そうで必死なのに。

 

 

Aさんがここで生きて、毎日一緒にいた16年間。

私もそうでした。

ここ近年、Aさんが入院した時などは焦り、毎日お見舞いにいき面会時間の最後まで病室にいて、帰りには下まで見送ってくれるのだけど手を振ってわかれて駅まで歩く間に早くも「早く明日になって病院に来たい」と思ってた。

 

でも毎日一緒に暮らしていて、私は邪険に接してた。

その時々に心に宿した感情も、餓鬼そのものだった。

 

Aさんがいなくなっちゃった。二度と会えなくなっちゃった。

16年間のなかではこのシミュレーションのようなことは何度かあった。
でもシミュレーションだったのだろう、毎回帰って来た。
だからまた今回もちょっと焦らされただけのことで、ふいと帰ってくるかもしれない。

でも死んでしまったから今度は本当に二度と帰ってこないんだ。
いつもと決定的に違うんだ。

帰ってきて。また戻ってきて帰ってきて。