雨やどり〜azurの日記

令和二年、四月。家族が突然死で私の人生からいなくなってしまい、世界が変わってしまいました。「諸行無常」という言葉の意味がわからないけど、今の私には抵抗感しかありません(でもどうやら違うようですね)。後悔、罪悪感、悲しさ、寂しさ、その他雑多な感覚のなかで、意識が継続されることが苦しいです。

第三六章

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その時のことをアンは、その晩、自分の部屋の窓辺に長い間すわりながら思いだしていた。そして過去を振り返り、未来を夢見た。外ではスノー・クイーンが月光を浴びて白くかすみ、オーチャード・スロープの向こうの沼ではかえるが鳴いていた。
アンはこの夜の銀のような平和な美しさをいつまでも覚えていた。それがアンに悲しみが訪れる前の最後の夜だった。

 

そして一度その悲しみの冷たい、神聖な手にさわられると、人生は二度ともととおなじにはならないのである。