雨やどり〜azurの日記

令和二年、四月。家族が突然死で私の人生からいなくなってしまい、世界が変わってしまいました。「諸行無常」という言葉の意味がわからないけど、今の私には抵抗感しかありません(でもどうやら違うようですね)。後悔、罪悪感、悲しさ、寂しさ、その他雑多な感覚のなかで、意識が継続されることが苦しいです。

やはり感謝できない

大家さん。

 

家に入ってきて二階にあがり、歌を歌ってる。その歌が階下にまで轟いている。

 

「どーこーまでもーどこーまでもー走れェ走ぃれぇーイスズのトラックぅ〜」

 

これを何度も何度も節回しを変えながら繰り返し歌ってる。

それは良いのだけど玄関のドアと鍵はどうするの?全開のままです。

まだすぐ外に出るとか車に行くからとかで開けてあるのか、いつものように忘れてるか。

それを聞くため階下から声をかけた。

 

ねえ!

 

ねえ、もう外でない?

 

ねえー!まだ外でる?

 

おーい

 

おーいおーい、もう外行かない?

 

おーーーーーーーい!!!!!!

 

何度呼びかけても絶対に聞こえてる環境なのにイスズのトラックを歌ったまま返事もなし。

 

お〝ーーーーーーーーーい〝!!!!!

 

と向こう三軒両隣にも轟く声で絶叫した。

すると、

 

「なーにー。聞こえてますうぅ。今着替えてるのッ」

 

とだけの声が返ってきた。

 

「まだ外でる?もうでない?」

 

と懲りずに続けた。

 

「んぁ?」「んが?」

 

「外出る?もう出ない?」

 

「出ないよ」

 

あっそ。

ドアと鍵を閉めた。すごくくたびれてしまった。