逆転の夏、あの頃の失敗
Aさんと近所を探してプールで歩いたり運動をした時期があったことを思い出した。
あれは八丁畷のプールで、踏切を越えて少ししたところに見つけたはず。
でも行ったのは1回か2回くらいか。
記憶にあるあの日私は池袋で写真撮影で、プロの技術によるメイクがばっちり施してあった顔で、あまりの完成度の高さにすぐ落とすのがイヤだったのに、どういうわけかAさんとプールに行くことになりもったいない思いをした、ということ。
それで中途半端に落として水中歩行していたところ、すれ違う人にジロジロ見られてやっぱり落とさなきゃダメだ、と思ったこと。
あの八丁畷のプールには何回行ったのだろう。じつはそんなにたいして行っていないのかもしれない。
その後相模原に越して県立相模原公園そばにプールがあるのを見つけ、そこも何回か行ったのかな、どうだったかな。
でもたしか途中で改装工事か何かで閉まっていた時期があって、改装後は行ったことがないはず。
相模原公園にはしょっちゅう犬の散歩に行っていたから、その足で立ち寄って眺めたりトイレを借りたりしていた。
その時入り口の車寄せのところでAさんは車を停めて私は乗り降りした。
そういえばプールではないけど、川崎にいた時に市がやっていた簡単なスポーツジムのようなところにも一度行ったっけ。
タワーリバークビルの上のほうの階だった。
確か行く前にウィダーインゼリーを補給して(飲んでから運動した方がいい、とかAさんが言った)。それでローソンでゼリーを買ったんだった。
15、16年前、ローソンで買ったゼリーを袋から手に取りリバークビルの駅側の入り口から歩く、その時手にしたゼリーを視覚的にも状況的にもよく覚えている。
運動で円周を何度も歩いた時、私は周りに周回遅れをとり息が上がってしまってみっともなかったんだ。
あのリバークビルのなかにあった歯医者にもAさんは行ったことがあったっけ。あそこまではまだ良かったんだよね。
それから数年後、別のところで歯医者に行って「これは大変ですよ、少しずつ治療していきましょう」と言われたのにAさんは面倒がり、「いいから全部抜いちゃってください。必ず明日も明後日も毎日しばらく通いますから」と無理を言い、歯科医もそれを信用し、一気に手をつけた。
その晩…
「明日から○○の誰それが事務所を開くから来てくれ」
と言われ、突然二ヶ月くらい行きっぱなしになった。2007年の夏のこと(副題:逆転の夏)
一旦手をつけた歯は、それきり行かなくなった。そこから何年も放置した。
でも今思うと、そこまで真に受けて本当に翌日から付きっきりで入り込まずとも済んだ話だったのに、と思った。せめて「この日は用事があるから」と抜けることも出来たはず。
でもそれをなかなかしないのがAさん、とも言えるんだけど。
結果、歯の状態は急激に悪化してしまってそれを笑い話になどしていたけど、あれも良くなかったんだ。きっとそうだよね。
色んなことの積み重ねで良くなかったんだよね。
私はずっと一緒にいたのに。